名称 株式會社SG・マリーア
所在地 ***
探索日 2004/12/18
廃墟開始日 平成7年10月31日に閉鎖のお知らせあり
分類・規模
会社。事務所棟、工場棟、寮、役職者用戸建寮、ブティック、倉庫
撮影 TEL
写真コメント pcfx


服を作って売る、そんな会社が山の中にありました。



山の中にあるブティックに、どんな客が来ていたのか。そそられる疑問。



女体は生物でなくても、その形そのものに価値がある。マネキンはそれを誇る。



それだけの価値があるものだから、おいそれと人には見せられない。だから隠れて着替える。



工場棟の中にはランドリー室もある。無数の衣紋掛けと竿竹。



社長宛の日報。目を通していたのかいなかったのか。とにかく報告は行われた。



これがブランドマーク。フランス国旗を想わせるデザイン。でも国産。



繊維・服飾業界の業界新聞。社会のどんな大事件も、業界新聞の1面に載ることはない。



かなり基本的なところから始まっている心得。しかし基本ほど維持していくのは難しい。



食堂になぜかトロフィー。眺めながらご飯を食べたのか。



差別の裏には、まず歴史があり、無知がある。しかしそのまた裏には偽物や嘘もある。



ビンの栓を集めた廃墟を多く見つけるが、どんな意味があって集めるのか不明。



倒産後は会社の全ての物が債権者の物になる。しかしその殆どが換金不能。



物凄く基本的な事に見えるが、日本以外の国では難しいとされる高等道徳。



偉いさんの写真と、ひび割れたガラスの額写真。全てを物語っている。



ミシンという機械は、昭和40年代までは身近な機械だった。今は雑巾ですら買う時代。



会員制だったらしい。安く服が買えたのだろうか。



会社がこけたら額までこけた。



服の写真をよりよくするために勉強した跡がのこる。



従業員名簿を見ると、昭和20年代生まれが圧倒的に多い。高年齢の職場だったようだ。



倉庫には縫製材料がたくさん残る。



工場の外に従業員寮もあった。



若い人も住んでいたようだ。アイドルのポスターを張り出す若気の至り、ここに晒される。



風呂もあったが、ちゃんと掃除していなかったのがバレバレ。



8畳間に白いレースカーテンだけが置き去り。



別の所に、もう少し高級な家もあった。



キッチンも少し豪華。



洋室にベッド。もしかしたら社長宅だったのかもしれない。



物騒な動物が出る山の中のドレスメーカーを去ります。



物件の感想 by TEL

「広い」の一言で終わってしまいそうな物件。山を切り開いた所に建っていて不気味です。

立ち入り禁止の注意書きに、蛇、熊、イノシシとありましたがきっと本当に出るでしょう。
あちこちで家鳴りというか不可解な音がするのでガクブルです。

フェンスに囲まれた広大な敷地に建物が身を寄せ合って整然と並んでいます。どの建物
もガラスが破壊されていて中に入れます。あちこちにマネキンが落ちていますが、リアル
タイプではないので勇気がくじけずに進む事が出来ます。

倉庫には夥しい量の糸が残っていてレトロなミシンと共におで迎えしてくれます
ブティックにあったお知らせを見て初めてつぶれた日がわかりました。

工場と事務所と即売所たるブティックにその従業員が住まう寮。…、一つの会社の全て
がこの敷地に詰まっていて在りし日を偲んでは物悲しくなるのでした。

某国の製品が安く大量に入ってきて安くモノが買えてうれしい消費者たる我々の裏側に
はかつての日本の一大産業の衰退があったとさ。