アトムなデザインにどんな意味があったかはわからないが、ここは男の休息地。だった。
一つの建物に二つの店舗。それも同系統の風俗店。
一方はフリピンショーパブ。もう一つはフィリピンパブ。
元は何の建物だったのか、明らかに後付けの設計。
店内はどちらもガランドウで、どっちがどっちかわからない。
ショーパブの方。このような店では、ヌード又はセミヌードで女性が踊るのを見て酒を飲む。
同じような作りのもう一つの方。こっちはパブだったのか。
イカゲソエイジ。これが噂のピジンイングリッシュか。
入場料3000円で1時間飲み放題。ドリンクの価格が二杯になっている。小銭レス。
シャッチョーサン、フルーツトッテイイカ? ツレダシスルカ? ワタシオカネナイヨ、ナンデモスルヨ。という萌えが存在する。
フィリピン人女性に多い名前の代表、モニカ。他にマリア、アンナ、ジェシカが多い。
とりあえずカタカナとひらがなは読み書きできる。問題は漢字だ。漢字文化というステータス。
頭のどこかでは彼女らを馬鹿にしているが、最終的に求める物はその天真爛漫だった。
南の楽園に突如やってくる線香臭い現実。マネージャーの人選とともに。
彼らの休みは10日に1回。ここでは全員奴隷。それでも明るく働いた。
ローラーブレードで半裸で走り回るアミューズメント。性とは決して神聖なものではない。
帰ろうとしたら、駐車場にプレハブがあった。ここが彼女らの住居。別名タコ部屋。
内部は二段ベッドがギッシリ。フィリピーナが安い滞在費を望んだか。搾取の巣か。
ここで集団で寝起きする。夜働いて、昼に寝る。ジャパンマネーを得るために。
20番のアップルちゃんの給与。この金額は何かを差引きした後なのか、週払いだったのか。
小包を送る料金表。安い、早い、安全が売り。フィリピーナは何を送ったのか。
国際電話のテレホンカード。彼女たちと祖国を結ぶ連絡手段。チョコを食べながら。
片足の人形。逃げられない象徴。
無言のメッセージが壁に突き刺さる。
どうもありがとう。おきをつけて。シャッチョサン カナラズ マタキテネ。・・・・・オクサント イツ ワカレルカ?
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